こて先の手入れと再生

hakko FS-100使用中

ハンダごての こて先の手入れについて

 

たまに手入れやメンテナンスをするとハンダ付けもきれいに出来て、工具も長持ちします。適切な使い方の裏側の保守管理。
調子の悪くなったこて先を洗浄、ケミカル剤で復活。

ハンダごて こて先の手入れ

 

普段のメンテナンス(手入れ)

 

こて先の手入れの基本は いつもクリーニングしておく

ハンダでクリーニングします。

 

  1. ハンダを表面に溶かす。
  2. クリーナー(スポンジ、ワイヤー等)でハンダをぬぐいクリーニング

1,2でハンダで清掃しきれいにする。これを普段から何度かしておいて、こて先をきれいにしておくのが基本

 

 最後にハンダを先に盛って保管

 

こて先の再生と復活

 

先の表面の色が変色し、調子が悪いと思ったら清掃、手入れをするころ

 

ハンダのノリが悪くなったり、ハンダが溶けにくくなり始めたころに気にかけて、こういう手入れするとよいです。

 

こて先は先端の表面にメッキ処理されている。この表面の状態がハンダ付けのポイント。

ハンダを溶かす先の部分が黒ずんできたりしたら劣化している。

 


先の部分や一部にハンダがノリにくくなったこて先

 

 

ハンダが溶けにくくなり、ノリや悪くなっても、くすんだ表面の皮膜をとれば、またある程度 再生できます。

 

 復活!

 

その方法は以下

 

こて先の手入れの方法

 

こて先の手入れは、コーティングやメッキ処理部品の表面の皮膜をとって再生させる作業と同様の原理、方法でできる。

 

劣化が激しい場合

①劣化したこて先の手入れの方法

 

  1. ハンダをこて先全体に溶かしてから先をクリーニング。
    (ハンダが押し当てて溶けるなら、まずは先をきれいにする)
  2. (ここ2.は 必要なら)劣化の具合により、必要なら表面を600~1000番程度の目の細かい紙やすりで優しくこするように表面の皮膜をとる。
    こて先 ヤスリ
    (または金属クリーナー等) 劣化の具合に応じて表面層だけを取り除く 。必要ならその後 クリーニング洗浄も。
  3. ハンダを表面につけてクリーニング
  4. ペースト等やチップリフレッサー(下記)で表面をきれいにする。
  5. 再び 3. 
    状態に応じて3、4を何度か繰り返す

 

 

この手入れの最後のクリーニングは金属ワイヤーでなく、水スポンジで丁寧に清掃する方がよいようです。紙やすり等を使った時には、拭き取りも水スポンジでなくウエスできれいに拭き取る。必要なら洗浄

 

今はこて先の専用品もありますが、以前は通常のペーストを使って手入れをしていました。

 弱酸性ペースト

これでも復活します。

 

ハンダごて クリーニングや再メッキの専用ペーストについては、

使用しなくても、通常の方法でも表面皮膜を取り去ったらはんだのノリも改善できます。

くすんだ表面皮膜を取り去ればよいのでケミカル等も使える、必要によって使用後は水で洗浄なども。

 

軽い劣化 の場合

 

②軽く劣化したこて先の手入れの方法

 

軽くノリが悪い状態なら 上の 劣化したこて先の手入れの方法① で
ヤスリがけの作業を省略し、出来るだけ薄く表面をならす。

 

溶けやノリが少し悪い状態

 

 

  1. ハンダをこて先全体に溶かしてから先をクリーニング。
    (ハンダが押し当てて溶けるなら、まずは先をきれいにする)
  2. ペースト等やチップリフレッサー(下記)で表面をきれいにする、必要なら洗浄も。
  3. 再び 3. 
    状態に応じて3、4を何度か繰り返す

 

③専用ケミカルを使う方法

 

こて先再生の専用ケミカルペーストがあるので、こういうのを使うと簡単に手入れできます。

 

③チップリフレッサー hakko FS-100

メーカーから再メッキを付ける チップリフレッサーというケミカルが販売されています。

 

ハンダごてのクリーニングとメッキができる専用ペースト

こて先専用のケミカルです。

 

使用手順
  1. ハンダごてにハンダを付けてクリーニング
    (通常のクリーニングであらかじめきれいにする)
  2. FS-100(ペースト)に先を2、3秒ほど入れる(煙がでる)
    hakko FS-100
  3. そこでクリーニングせずに、その上からハンダを押し当てて溶かす
  4. 最後にクリーニングする (通常のクリーニング)

 

メーカー純正なので効果はそれなりに確実です。

 

2.ケミカルに入れるときのこて先温度は300~350℃程度のようです。

温度が低いと、こて先に固まりが残り、高すぎると泡と煙がいっぱいでる

 

ノリが悪くなったときにこういうケミカルで手軽な作業で表面状態をリフレッシュできます。

 

押し当てても溶けにくような劣化が進んだ状態だと、上のこて先手入れの方法① のように表面をやすりがけする方法で。

 

再生した先

 

表面の皮膜がとれるとツキが改善するので、こういう作業でノリは良くなります。

 

 

こて先の手入れをして、

先端のハンダのノリが改善しました

 

 

 

普段から、たまにノリが悪くなった頃にこて先の手入れをしておくと、ノリがよく作業できる。

 

再生ケミカルでも 使うと少しず先が劣化していくので、頻繁に使わない方が良い。

 

何度もやると改善しても、イマイチ もう一つです
ダメなら新品交換の時期!(新品がやっぱり良い)

 

表面のメッキ層に、拡大で見れば虫食い、デコボコがあれば、改善しにくいので新品交換時期です。

 

こて先の表面の再生の際に、こて先専用ケミカル品は使い易いので使用するのに手頃で便利です。

 

ハンダが溶けなくなってから重点的にするより、ハンダが溶けにくい頃に、優しく先をときどき手入れする方が良いようです。

 

 

 

こて先も、長く使っていると調子が悪いまま使い続けて、ベストの状態を忘れてしまうものです。(予備のこて先もストックしておくと違いもわかりやすい)

 

ものを大切に長く使うのも大事ですが、こて先は
使い古すと改善してもやはり新品の方が調子は良いので、ある程度で新品交換が良いようです。

 

こて台 クリーナーの手入れ

クリーナーも汚れてくるので手入れ。

意外とそのまま使い続けるものですが、清掃するとゴミや汚れが予想外に出てきます。

 

マメにクリーナー自体も清掃しましょう。

水スポンジタイプ

 

スポンジ表面がハンダで汚れて、ハンダかすがすぐたまってくるので取り出して洗いましょう。

 

意外と早くカスがいっぱいたまっています。

 

 

スポンジも表面が汚れてくる。

汚いところでクリーニングしても、きれいにならないので、まめにスポンジも洗浄

 

また、これはネジで差し込み角度を調節できる。

角度を好みに変えると作業効率も上がります。

 

金属ワイヤータイプ

底を抜いて、金属ゴワゴワを取り出して洗浄。

 

 

まめに掃除しないと、開けたらはんだのカスがドッバッと出てくるので注意

 

同じところばかりで使うことになるので、清掃後に違う面が口にくるように回して使う。(真鍮ゴワゴワにフラックスが含まれているようなので、長年使う前に交換でしょう)

 

こて先のクリーニング

 


2016/ 6/18