ハンダごての選び方

ハンダ付けのための用品、工具選びについて

 

ハンダごての他、ハンダ付けに適したピンセット、ペンチ等の工具について

 

 

ハンダ付けの工具

ハンダごて、ハンダ、こてを置く台の種類や選び方

 

 

ハンダ付けは、電気配線、電子部品の接合に使われます。それ以外に、ハンダ付けは板金の接合に使われるハンダ付けもありますが、ハンダごてやハンダの種類が異なります。

 

ここでは、電気配線、電子部品のハンダごてについて説明

 

ハンダごて選びの前に

普通のハンダと、鉛フリーハンダについて

 

ハンダとハンダごて

ハンダ付けは、溶かす方が ”ハンダごて"

 

溶かされる方が "ハンダ" です。

 

その"ハンダ" には、最近使われ始めた鉛フリーハンダがあります。

 

鉛フリーはんだとは

 

鉛は人体に有害で、また廃棄物として自然環境に対する悪影響も懸念されたため、鉛を含まない無鉛ハンダ鉛フリーはんだの使用が進められています

 

最近、鉛を含まない:鉛フリーハンダ は製品でよく使われます。

鉛フリーはんだは、電気・電子機器の特定有害物質の使用制限 RoHS の指定で使われる。

 

しかし、この鉛フリーハンダは融点が高く、扱いやが難しく、より技術が必要になります。それなりのハンダごてなども必要で、よりハンダ付けが難しくなり、初心者は避けた方がよい。

 

会社関係は環境に配慮し、最近これを使用しますが、初心者はハンダ付けがより難しいので失敗するとゴミを出し、かえって悪影響にもなりかねません。鉛フリーは特別なものと考えて、通常のハンダを使いましょう。

 

一般のハンダ

鉛を含んだ従来のハンダです。ハンダといえば通常はこのハンダ。

 日本製品のものが成分が確かでよい

 

 

従来の、一般のハンダを使用するときの、ハンダごて選びです

 

ハンダごての選び方

ハンダごては、いくつか種類があり、安いものから高いものまで幅が広い

 

「 どの場合に、どのようなハンダごてが良いか? 」

 

また、こて台もハンダごてにあわせて選ぶ。

 

ハンダごてのタイプ

ハンダごては主に、ニクロムヒーターセラミックヒーターがある。

 

ハンダごては温度の高さはW数で表されます。W数が高いほど高温。

電子工作のハンダ付けなら20W程度のものがよいでしょう。

 

ニクロムヒーター

これは昔からのタイプ(古いタイプ、廉価品ともいえる)


ヒーターに従来の電熱線:ニクロム線を使ったもので、

 

特徴は

  • スイッチonから温度が上がり使えるようになるまでに毎回時間がかかります
  • 良い点は、値段が安いこと

 

hakko-red

 

筒の部分に穴が開いているので見分けやすい。

 

工作用にハンダ付けが必要にななって、、というような初めて使うときに選ばれる。

昔はハンダごてといえばこのタイプでしたが、これでもハンダ付け出来ます。

 

初めてで試しに使ってみるような入門用と考えておいた方がよいでしょう。

 

これから先も、いろいろハンダ付けする予定があるならセラミックヒーターがおすすめです。

 

セラミックヒーターのハンダごて

 

最近の主流です 一番よく使われているタイプ

 つまり今、ハンダごてといえばこのセラミックヒーター タイプ

 

 

特徴は

  • セラミックヒーターは温度が早く上がり電源ONからハンダ付け開始までの時間が短く使いやすい
  • 欠点もあり、セラミックなので落としたら(衝撃で)中身が壊れやすい。

 

これからもハンダ付け作業を何度もするなら、セラミックヒーターのものを選ぶのが良いでしょう。今の普通に使われているハンダごてです。
(詳しくは下記)

 

形状やタイプ

形状でタイプがあります。

 

hakko-presto ハンダごて

 

ストレートタイプ

まっすぐなエンピツのように持ちやすい形状 これが一番万能に使えて一般的。

縦にしたり、斜めにしたり、回したりするのに万能に使えて一般的なもの

 

普通に使われるのはこのタイプなので、最初の1本なら迷わずストレートタイプ。

持ち手やつかみやすさも好みがあるので、自分にあってそうなものを選びましょう。

ガンタイプ

ピストルのような形のタイプ。持ちやすさはとても良いが、ハンダごてを斜めに入れたり、奥に入れたりすることの多い基板上や電気の作業では支障がでて使いにくさを感じる。


それよりも、持ちやすさを生かし、決まった用途の姿勢や角度で使うスペースに余裕のある作業の用途に使われることが多いようです。

 

 

ハンダごての機種 選び

ハンダごてを選ぶのために、用途に応じた選択やおすすめなど

 

形状は ストレートタイプが一番使いやすく、おすすめ。

 

とりあえずならニクロムヒーター

 

とりあえず使う、ハンダ付けすることが必要、試しにやってみる 用途なら入門的に

ニクロムヒーターのハンダごて

 

白光(HAKKO) ハッコーレッドセット 60W 511
白光(HAKKO) ハッコーレッドセット 60W 511

 

全部セットの入門機種で安価というのが長所です。

 

これからもハンダ付けする予定があるならセラミックヒーター(下記)の機種にしましょう。

 

セラミックヒーター

 

ハンダごてといえば、現状ではセラミックヒーターが中心。

 

そのセラミックヒーターの中でも、

  • 温度調節機能があるもの
  • 温度調節ナシ=普通のタイプ(温度固定タイプ)

があります。

 

温度調節機能のついた高機能な上位機種(下記)もありますが、普通のタイプ(温度調節ナシ)でも十分ハンダ付けできます。

 

温度調節ナシ(温度固定式)

普通のタイプ(温度調節なし) のハンダごては一番種類が多く、一般的です。

 

 hakko dash(旧型)

 

温度調節の機能がないヒーターのW数で温度が決まるタイプです。

 

温度調節式の方が高機能ですが、温度調節ナシ式でも電子工作では普通にハンダ付けできます。

 

 

(下の)温度調節できるタイプが高機能で使いやすいですが、最初は、気負いせず値段も安い、普通のタイプ(温度調節ナシ式)で始めて慣れてコツをつかんでからステップアップ も良いかと思います。

 

従来の温度調節なしタイプのハンダごては、不便なようでいてそこから経験的にハンダ付けを慣れて会得(えとく)していくのには適しているかもしれません。

 

電子工作で、電子基板作業なら20W程度の機種が適切です。

 

ずっと白光製品を使ってきたのでhakkoシリーズから

ハンダごてのメーカー hakkoの機種なら

 

hakko dash

白光(HAKKO) はんだごて ハッコーDASH B型こて先付 FX650-81

白光(HAKKO) はんだごて
ハッコーDASH B型こて先付 FX650-81

 

dashは電子基板用。
先部分がプレスト(下)より短く、細くて持ちやすく、細かい作業がしやすい。(新型にモデルチェンジしています 15W) 温度のW数の種類が豊富。

 

hakko presto

電子基板の組み立てだけでなく、配線や机以外でも広く使うなら、

 押している間だけ温度を上げる機能があるプレスト

 

 

温度ブーストボタンがあり、押している間だけ温度を上げる機能がある。

プレストは汎用でしょう。
先部分が長く、耐熱キャップが付属なので収納、持ち運びも便利

 

 

温度調節式と 通常タイプ(温度温度調節ナシ)こて先温度の比較

より高機能な、温度調節機能がついたハンダごても安くなりましたが、比較すると以下のような特徴があります。

 

温度調節タイプは、こて先の温度を設定でき、一定に保つことができる機能。

  • fx600-adj
  • fx951-adj

 

実際に重要なのは、ヒーターの温度ではなく、ハンダを溶かすために熱を与える”こて先”の温度とその変化です。

 

普通のタイプ(温度固定式)と 温度調節タイプを比較してみると、

 

小手先温度の比較

 

 機種 メーカー
仕様
こて先温度
(実測)
白光プレスト
(温度固定式)
 20W 440℃
FX-600
 (温度調節タイプ)
 300℃に
設定
 300℃

 

無負荷の状態(スイッチ入れて暖まった状態)で比較すると、こて先温度は 固定式の温度がずいぶん高い。
通常 ハンダ付けの適正温度は300~350℃程度なので 先の温度は固定式が上回っています。

 

このあと、

  1. ハンダ付け作業でハンダを当てると、こて先が熱を与えた分、こて先温度がさがります。
  2. そしてまた無負荷になると、定常のこて先温度に戻る

 

ハンダ付け作業では、これが繰り返されます

 

温度コントロール

温度調節機能があるものは、温度が下がると設定温度に復帰するため一定の温度にコントロールされるので常に適切な温度でハンダ付けができる

(大きく温度低下したときの復帰時間などは高機能品などの性能で変わる)

 

上の比較で、こて先温度が温度固定タイプの方が高くなりますが、普通にハンダ付けできます。

高温になるぶんだけこて先の寿命からいえば短いかもしれませんが、電子工作に使う程度ならそれほど問題にもならないでしょう。

 

温度調節タイプは、誰にもハンダ付けしやすいよう

いつも適切な温度でハンダ付けできる機能を持つ温度調節タイプの優れた点です。

 

 

温度調節タイプ

 

温度調節が出来るタイプのハンダごては、常に一定の温度に保つ機能があるので、安定した温度でハンダ付けができます。

 

値段も安くなり、固定式の2倍程度なので最初からこういうのを買っておくとハンダ付けもしやすいでしょう。

 

 hakko FX600

 

温度が調節出来るので、一本でより幅広い温度のハンダ付けができる。

 

300℃程度に設定すると適正温度でいつもハンダ付け出来るので、最初から安定したハンダ付けができます。

 

ただ、温度固定式を使い慣れているなら、使い方によっては普通の千円台のハンダごてと変わらないともいえます。

温度変更せずに使うと使い勝手はさほど違わない

従来は、普通品=固定式でコツをつかんで自分で工夫するのが普通だったので。。

 

いつも適切な温度でハンダ付けできる温度調節タイプは、誰にでもとても使いやすいです。

 

「将来も長く使うので温度調節型を」、と選んでもよいし、
「最初は安価な従来品(温度固定式)で慣れてから」 というのでもよいと思います。

 

FX-600

 

これは、hakkoのベストセラー商品ですね。

 

下記の分離型の後に、温度調節できる一体型として発売されてから、 安価で高機能なので、誰にも使いやすくてかなり評価されています

 

メーカーも力を入れている中心的な製品なので、こて先の形状のオプションが多く、選択が多いです。

 

選んでおけば間違いのない製品だと思います

 

温度調節 高機能製品

分離型という本格タイプで、本体と"こて"が別タイプです。

 

hakko-FX951

 

細かい温度調節やスリープ機能等 高機能の本格タイプ

分離型でもランクがありますがその上位機種

 

上のFX-600の一体型と違い、本体(制御部分)が分離されているだけあって、非常に高速できめ細やかな調節ができます。

コテ台にのせた使わない間の温度を自動で下げるスリープ機能あり。

 

白光 デジタル小型温調式はんだごて(鉛フリーはんだ対応) FX951-51

白光 デジタル小型温調式
はんだごて(鉛フリーはんだ対応) FX951-51

 

とても優れた性能で、本格的に細かい温度調節ができ、温度調節の性能も秀逸です。

初めてこの製品を使ったときは相当驚きました。。
これを使って不満が出ても、それはもうしょうがない と言ってしまえるほどの完成度の高い製品だと思います。

 

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2016/ 6/18