トランジスタのスイッチング回路
リレーと同じようなトランジスタの使い方 、トランジスタのスイッチング利用について
様々なタイプがあります。
様々なトランジスタのスイッチング回路
ベースに電流を送り込むと
トランジスタのスイッチがつながる。
図のようにベースでスイッチを入れるようなトランジスタの使い方です。
LED用の回路
LEDを点灯させるスイッチの役割のトランジスタの回路です。
Vf=1.8V、最大電流40mAの超高照度LEDを30mAで点灯する回路です
これで、ベースが流れればLEDは点灯します。
スイッチをつなげ、ベースに5Vがつながると、 本流に電流が流れLEDが点灯する回路です。
マイコンやデジタルICにつなげてみます。
マイコンに
上図のスイッチをマイコンやデジタルICでONにする回路。
貧弱な電流で、超高照度LEDに30mA流す。
デジタルICのからの信号で超高照度LEDを30mAで点灯する回路です。
(LEDドライブ回路)
リレーに使う
前にでてきたリレーもこの回路で作動させることができます。
(リレードライブ回路)
省略されるグランド表示
グランドの配線は回路図では省略されることが多い。
よくこのように、
+側だけしか入力、出力のが書いてない
回路図があります
これは、暗にGNDを共通にして
このように、つなぐことです。
実際は同じGNDにこのように接続することになります。
それでは各抵抗値はどのように決めているのでしょうか?
ちょっとした回路設計みたいな計算になりますが、その抵抗値などを求めるトランジスタのスイッチング回路の計算です。
トランジスタをスイッチ利用の回路について
スイッチング回路とは ベースの電流を流しスイッチを入れるというスイッチとしての使い方です。
スイッチングの回路では複雑に考える必要はありません。
スイッチング回路では トランジスタの本流をONにするのに十分な電流をベースに流せばスイッチが入ります。
電圧は5Vだが微弱な電流でLEDを光らせるトランジスタのスイッチング回路を作ってみたいと思います。
トランジスタのスイッチング回路では、増幅率hfeから考えればいいです。
スイッチング回路の計算と設計
最初に、通常のLED点灯回路
普通にLEDを点灯させる回路です。使用するLEDは赤色、
Vf=1.8V、最大電流40mAの超高照度LEDです。
計算
まず、上の回路の計算は
LEDに電流30mA流すには その抵抗値は
LEDに流す電流 | = | 5V-1.8V(Vf) 抵抗値 |
なので、
抵抗値 | = | 5V-1.8V(Vf) 30mA(LEDに流す電流) |
= 約100Ω
となります。
抵抗を100ΩにすればLEDに約30mA流れ点灯することになります。
それではこのように、このLEDをトランジスタでスイッチを入れて点灯させる回路にします。
計算式を実験
上の普通にLEDを点灯させる回路の電流を実測してみます。
29.2mA の電流が流れています。
(計算値が 30mA)
LEDの個体差や温度、抵抗の誤差などにも影響される
トランジスタ スイッチング回路の各抵抗値の計算
素のままのLED点灯では 30mA流れます、
これをこのままトランジスタをスイッチ代わりに、ON、OFFさせる
トランジスタスイッチング回路を作ります。
トランジスタ スイッチング回路に
まず、本流=コレクタ-エミッタ間に流したい必要な電流から考えます。
30mA程度流して超高照度LEDを点灯させるので、30mAを流せるスイッチング回路にします。
スイッチング回路では、このようにベースの入り口に抵抗Rbを入れます。
トランジスタは2SC1815のGRランクを使用するので、増幅率は200~400 です。
増幅率hfe:200とすれば、目標の電流を流すためには、ベースに 30mA/200(増幅率) =0.15mA流せるようにすればいいでしょう。
これで単純計算で、ベースに0.15mA流すと コレクタには 200倍され、 0.15mA×200(増幅率)=30mA 流れることになります。
30mA以上流れるようにすればいいので、ベースには0.15mA以上流れればいいのですが、十分に多めに余裕を持たせ、この3倍の0.45mA は流せるようにします。
ここでは0.45mA流れるような抵抗値を計算します。
ここではGRランクを使用です。 増幅率は200~400。スイッチング使用では、増幅率の最低で考え、その3倍程度にします。
つまり、必要な電流よりもずっと多めの電流が流れるよう余裕を持たせることです。
トランジスタのランクにつて
トランジスタ 2SC1815 にはいくつか増幅度hfeの違いでランクが分かれています。
O:70~140 Y:120~240 GR:200~400 BL:350~700
一般によく見かけるのは YランクとGRランクあたりだと思いますが、最初はなぜこんな風に分けてあるのかと思いましたが、わざわざこんな増幅度の違うものを作っているわけではないようです。
出来上がった製品の増幅率に大きくバラツキが出るため、このようにランクに分けるらしいです。
ベース抵抗の計算
上のようにベースへ0.45mA流すベース抵抗Rbの計算は
ベースからエミッタへ流れるときには半導体の壁 約0.6Vがあるので
5V-0.6V 0.45 | = | 9.8kΩ |
= 約10kΩ
これで ベースには10kΩの抵抗を入れます。
これで、0.45mA 流れるので、増幅率を範囲の最低の hfe:200 としても 本流コレクタのLEDには 0.45×200=90mA の電流を流すことが可能です。
これで、各抵抗値の計算は完了です。でも、設計通りいくんでしょうか?
実験しときましょう。
作った回路の実験
素のままのLED点灯では
電流 29.2mA流れました
(上の確認実験)
これをトランジスタのスイッチング回路でスイッチを入れる回路にすると 各部に流れる電流は?
- ベース: 0.43mA
(計算値0.45mA) - コレクタ: 28mA
(計算値30mA)
ベース抵抗を半分のRb=5kにすると コレクタ 28.4mA という結果。
まとめ トランジスタのスイッチング回路とは
設計のような計算をしましたが、問題を解くように手順についていってやってみると、結局何をしたのかボンヤリとしかわからない ということがよくあります。
いったい どこの何を、どう計算したのでしょうか?
トランジスタのスイッチング回路とは
蛇口を
全開 で ON
全閉 で OFF
(全開、全閉だけで、半開のような調節はしない)
と 出す、止める の2種類だけにして、蛇口のベースで開け閉めすることでしたが
蛇口全開にして ドバッと出てくる水の量は、蛇口のひねり加減で調節するのではなく
このように 本流の抵抗Rc で 全開にしたときの水の量を 本流の水道管で絞ってしまう、
というものです。(その絞り調節は本流の抵抗Rcです)
ベースは蛇口の開け閉めで 全開にすると 決められた水の量が出る というのがスイッチング回路と言えるでしょう。
その量が十分出るだけの蛇口をあけてやるのがベース電流です。
全開にすると出る量が決めてあるので、それがもし蛇口半開にしたら出るんならば、全開でも半開でもどっちでも欲しい量が流れるので、蛇口のあけ具合は細かく気にする必要はないのです。
- 蛇口を全開にしたときの LED点灯に必要な(流したい)電流が流れるように、本流の抵抗Rc を決めた
- 蛇口がONのとき、流したい電流が十分流れるように蛇口を開けるベースの抵抗Rb を決めた。
そんな計算をしたことになります。
流れる量は本流の抵抗で調節し、蛇口はON、OFFに回すだけ” という スイッチング回路
最後の 作った回路の実験 で
「 ベース抵抗を半分のRb=5kにすると コレクタ 28.4mA という結果でした。 」
と、一応ベース電流を大きくしてみて試していますが、これがどういうことか? もうわかると思います。
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