ホイートストンブリッジを復習

Wheatstone bridge

高校で習うことで、ちょっと見方を変えるとよりわかるようになると思わせるようなものが基礎の回路として勉強するホイートストンブリッジ


学校で習うことは役立たないことが多いといわれたりするので、

ホイートストンブリッジの原理をより理解し、少しでも役立たせる内容にして回路の理解の輪を広げたいと思います。

ホイートストンブリッジ

高校で勉強する、おなじみのホイートストンブリッジとはこういう回路です。

 

ホイートストンブリッジ回路
 Wheatstone bridge

 

ひずみゲージの回路の例としてよく取り上げられます。

 

 

実際、回路図に入り、実用回路の中にこの回路に似たような回路は出てこないかと、ヒシ形を待ち構えていても、おそらく一生こんなヒシ形の回路に出会うことはないでしょう。

ここでせっかく勉強して習ったホイートストンブリッジを考えてみます。

ホイートストンブリッジの原理

まず、回路図でこのような2本の並列接続の回路を考えます。コンデンサを試す に出てきた分圧回路2個分です

 

 2つの並列回路

並列接続では電圧が一定となるので、
縦の2本の線は別々の回路のように考えることができます。

 

各縦線の並列回路の抵抗の電流、電圧は、
「コンデンサを試す」のところの計算ででます。 

 

この真ん中をつないでみたらどちら向きに電流が流れる?

 

2つの並列をつないだ回路

 

この間をつないだら?
というのがホイートストンブリッジです。

 

 

さて、こういう抵抗値にしてみて、つないでみたら、

 

 

  • どちら向きに電流が流れるでしょうか?
  • 電流が流れないときはどんな抵抗値のときか?
2つの並列間の電圧
*これは例題の回路です

 

というのが ホイーストンブリッジの問題です

 

A点とB点の電圧は コンデンサを試す の 分圧のところであったように

                
 A点 


20V

×
5 
15+5

 

  =5V

 

 B点 


20V

×
2 
3+2

 

  =8V

 

この2点の電圧を較べればいいのです。

 

つないだ橋渡しのラインに電流が流れない条件は

 

各抵抗が

 

R1
R3

R2
R4


になる というのがホイーストンブリッジの公式です。

 

この均衡が崩れると、どちら向きかに電流が流れることになります。

その方向は A点  B点 の電圧の高い方から低い方に流れます。

歪ゲージに使用すると たわむと抵抗値が変わる抵抗を使い、普段は均衡するようにしておく。

橋渡しの部分の電圧を測れば、微妙な曲がりでも、たわんだ変化が電圧となってわかるという原理です

 

並列接続間の電圧

 

A点とB点の電圧は >コンデンサを試す  の 分圧のところであったように

 

この回路なら

2つの並列間の電圧

 

  • A点電圧   5V
  • B点電圧   8V


 となり B点→A点 へ流れます。

 

しかし、橋渡しの間を たとえば 抵抗:R5 でつないだとき、


  ホイートストンブリッジ-間をつなぐ回路

そこに流れる電流は

 


I

VB-VA
R5

 

とは簡単には計算できません

 

 

これは、実は 分圧の式のようなものでは簡単には求まりません。

電位差を流れる電気

電流や電圧を厳密に計算するより、 ホイーストンブリッジの重要な点は、

圧力が均衡すると、道はあっても電気は流れない ということです。

ホイーストンブリッジが教えてくれる重要なことの1つは

 

電気は + → グランド へ流れる  という以上に 電位差があるところを流れること

 

ここでもやはり、電気は、水が高低差があると低いほうに流れるように、電圧に少しでも差があればそのスキ間に流れ込んでいく。


当たり前のようで、わかっていそうで、わかりにくいところだと思います。

 

電位差を流れる電気

一見、間違った回路のようですが、このような回路を考えてみます。

 

 

5V電源に240Ωの抵抗と赤色LEDを入れた回路に

加えて、反対向きに1.5Vの乾電池を入れました。

 

電池を反対向きに接続回路

 

一見すると
  5V電源の+から → 1.5V乾電池の+へ流れ込む

ような回路になっています。

 

しかし、これでも電流は流れ、LEDはちゃんと点灯します。


なぜなら、電気は電位差を流れるから、という例にもなります。(これは実用回路ではないので実験的に作っています)

 

この回路では

  • LEDの電圧は、普通に乾電池が無い場合と、どう違うか?
  • LEDには実際何ボルトの電源をつないだのと同じコトになるか?

計算で考えるほうがわかりやすいような回路ですね。

 

上の例のホイーストンブリッジ回路の例では

 

 2つの並列間の電圧

 

B点(8V)

A点(5V)


 となり B点→A点 へ流れます。

 

 3Vの電位差を伝わって流れました。

 

この回路は

電池を反対向きに接続回路

 

 5V → 1.5V の電位差を流れていることになります。

 

 電気は ”電源+ → GND(マイナス、0V)” へと流れるのが当たり前で、
固定観念のように マイナス極 へしか流れ込まないようなイメージになってしまいますが、

回路の中身では 抵抗に挟まれた間などを通り、いろいろな電位差をつたってどんどん低い方へと流れ、グランドにたどり着く。

 

それで電気は電位差を流れるという理解から、また最初にもどり話の輪をつなげたいと思います。

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