コンデンサの特長
コンデンサの特長は? とかの説明ではなく、試してみてどんなことに使えるか基礎を実験していきます。
コンデンサ とは電気を貯める電子部品です
しかし、それだけとはいえません。少し視点を変えて、その特長をうまく使っていろんな動作をする回路にしてしまう話。
アナログ回路とは、各部品の特長を器用に組み合わせ、いろんな動作をさせるのです。
プルアップのナゾ の続きをコンデンサを使った回路で実験してみます
ここではまず、コンデンサの特長を試し、それでいろいろな動作をさせることを試します。
コンデンサの動作を実験
コンデンサは電気を溜め込む部品ですが、その特長を応用して、回路に機能を持たせるのです。
まず、 コンデンサに 抵抗を測るようにテスターをあててみると、
コンデンサをつないだ回路
つないだ瞬間 抵抗0
↓
すぐにに抵抗がどんどん大きくなり
↓
しまいに無限大 電気を流さなくなります
徐々に沈みこむように電流が流れなくなります
このことから、抵抗値が自動的に大きくなっていく、しまいに電気を通さなくなる部品ともいえます。
この特長と、先のプルアップの仕組み とを合わせて使うとLEDにある特徴を持たせることができます。
あまり良い例とはいえないのですがこのような回路を作ってみます。
抵抗のように振る舞うコンデンサ
赤色LEDを使用
この回路は プルアップを水の流れで説明したところをそのまま回路にしたものです。
>プルアップっの仕組み では
スイッチの代わりに可変抵抗にして、その抵抗値をどんどん回して大きくしていくと、LEDの方への電圧が上がっていきました。(実験した人には)
その可変抵抗をどんどん大きくするのを代わりに 自動的にするのがコンデンサです。
この実験回路では、スイッチのかわりに 100uFのコンデンサにしました。
その動作から、抵抗を大きくしていくことを自動的にやってくれます。
時間を遅らせる
しかし、コンデンサの抵抗値が大きくなる時間が速いので、ほんの一瞬LEDが遅れてつく結果になっています。(違いがわかるかどうかの遅れ時間でしょう。)
何度も試すときは、毎回コンデンサの両足を抵抗につけるなどして完全に放電させておいて下さい。
体感できるほどLEDの点灯を遅らせるには、コンデンサの容量を1000uF~2000uFにしないと実感できません。
スイッチをOFFにするとLEDは消えるのですが、徐々に消えます。
コンデンサが貯めた電気を今度は放電するからです。
このように LEDがつくのも、消えるのも遅れるので ディレイ(遅れ)回路と呼ばれたりします。(この回路はそのままではディレイ回路には向きませんが・・)
コンデンサは電気を貯め込む部品ですが、回路の配線に割り込ませ直列につなぐと自動的に徐々に抵抗が大きくなり、しまいに電気を流さなくなる部品とも考えられます。(その時間は容量による)
コンデンサの容量のより大きいのを使うとその時間がゆっくりになります。
上の回路でコンデンサを並列にいくつかつないで容量を増やしてみてください。
コンデンサの容量を増やすには
コンデンサは抵抗の計算とは逆で、並列につなぐと容量が大きくなります。
同容量のコンデンサを2つ並列につなぐと、容量が2倍のコンデンサのつもりで使えます。
並列に2つつないだコンデンサをつなげて試してみましょう。
もう少し回路を改良
上の回路をもう少し考えてみます。
プルアップの回路では
SW1をONで青線の流れとなり、LEDには電流は流れませんでした
そして、スイッチを抵抗に代えて徐々に抵抗を大きくするとLED側へ向かう電圧が増えていきました。(実験した人には)
それでは、この回路では
スイッチの代わりに何オームの抵抗にすればLEDが点灯するでしょうか?
この赤LEDは約1.8Vの電圧があれば点灯します。
SW1の変わりに抵抗を入れて、LEDに 1.8V以上の電圧になるようにすれば点灯することになります。
そのためには
分圧
スイッチを 2kΩ の抵抗に代えたときです。
この形を見ると、慣れた人は 「ああ分圧か」 と思うでしょう。結局分圧抵抗の話になります。
分圧説明回路 この A点 の電圧は
|
= |
R2
R1+R2 |
× 3V |
当てはめると A点 の電圧(LEDへの電圧)は 2V となります。
コンデンサが充電している間、抵抗となりその抵抗値がだいたい2kΩに達したとき、A-GND間の電圧が約2Vとなり、LEDは1.8V以上で点灯するので、LEDが点灯することになります。
R2の抵抗 2kΩ 程度以上にしたとき点灯するということになります。
なんとなくプルアップの流れから、LEDが点灯する仕組みがわかったので、先の回路をもう少し改良してみます
コンデンサを入れる
コンデンサを2個並列にして 容量を2倍
LEDとの間にダイオードをいれました。
(にょろニョロ矢印の方がLED記号)
ダイオードを入れたのは、余計に遅らせるためです。
だいたいダイオードは 0.7V 以上の壁になります。ダイオードを通り抜けるには0.7V以上が必要です。
抵抗の R2が約2K でLEDへの電圧が2V程度になると点灯したのが、ダイオードをその道に割り込ませることで +0.7V つまり 約2V+0.7V になります。
コンデンサが充電されて抵抗が上がり、LED側の電圧も上がっていきますが、
LEDが光るまでに、さらに+0.7V 底上げさせる役目をダイオードにさせています。
スイッチを on にすると 最初の回路よりはハッキリとLEDの点灯の遅れが実感できると思います。
ディレイ回路
でも、これでもディレイ回路というには物足りません。
- オンもオフもちゃんと遅れるディレイ回路
遅れる時間をコントロールするにはどうすればよいか?
- また、オフだけ遅れる、
車を閉めたときの室内灯のようにするにはどうすればよいか?
こういう改良を自分で調べることで結局、自分で始める回路となるのでしょう。
いつか新しい部品を学んだとき、それを使いもうすこし考え、改良したいと思います。
ここではダイオードを別の目的で使って回路に変化を加えました。
このように、各部品の特長を器用に組み合わせて、回路の動作を作るのがアナログ回路といえるでしょう。
その器用な組み合わせはすでに典型例となっている回路がいっぱいありますので、既存の回路を学んで、自分で改良し更に特長を加えましょう。
ここで試したディレイ回路では、コンデンサが空の状態でオンにすると遅れ時間が大きいですが、スイッチをOFFして放電させじわっと消えた後、もう一度オンにすると遅れ時間が最初より短くなります。完全に放電しきれてないので。。。
いくら長くOFFにしても放電しきらない理由も考えてみてください。
回路は説明を見ただけでわかった気になりますが、自分でやると理解がぜんぜん違います。
ぜひ、実験し、思いついたことを自分流にあれこれ改良してみてください)
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