光センサ コンパレーター回路
>オペアンプの実験集で行ったコンパレーター の回路を使うので見ておいてください。これを応用してスイッチにします。
最初の回路では光センサの感じ取った電圧を、トランジスタに入れ、これでスイッチをonにしてLEDを点灯させました。
今度はコンパレータ-を使います。
コンパレーターの回路
オペアンプの実験でやったように コンパレータの回路はこうです
その結果、出力から出る電圧はこのようになる ということでした。
このグラフを見ると、スイッチに使えることがわかります。
この回路は
入力 | 出力 |
2.5V以下 → | 3.8V |
2.5V以上 → | 0.6V |
ある電圧が来るとぽーんと 0近くに落ちる動作なところから、この急激な出力の電圧変化がスイッチとして使えることがわかります。
この回路をそのまま使ってみましょう。
一方、光センサの回路 はこうでした。
明るいとき CDS=7.5kΩ
V |
= |
7.5k
7.5k+10k |
× 5V |
= 0.45V |
V |
= |
120k
120k +10k |
× 5V |
= 3.08V |
この回路をそのまま入力につなげると、
入力 | 出力 | |
●明るいとき | 0.45V → | 3.8V |
●暗いとき | 3.08V → | 0.6V |
入力 出力
- 明るいとき 0.45V → 3.8V
- 暗いとき 3.08V → 0.6V
となり 明るいとき出力が 3.8V になってLEDが点灯します。
コンパレーター回路を使ったLED点灯回路
暗いときに点灯する回路を作るので、光センサの方の抵抗を入れ替え、暗いとき出力が3.8Vで点灯する回路にします。
これで、光センサの出す電圧対応の動作は上と反対になります。
このコンパレーター回路とは、入力-が入力+ を追い抜いてしまうと出力電圧がカクンと落ちる回路でした。
この回路では、入力+の電圧を下回るとスイッチが入り、LEDが点灯します。
A点に入るセンサ電圧を見ながら センサへの明るさを変えていきどの点でLEDが点灯するかなど試してみてください
入力-が入力+ を追い抜いてしまうと出力電圧がカクンと落ちる ということは、
入力+の電圧を調整することでカクンと落ちるポイントを変えることが出来ます。
これをLEDが反応して点灯するセンサ感度調整に使います
回路図中の ”点灯ポイント調整抵抗”
センサからの明るさ情報の電圧は 入力- に入れます。
入力+ を可変抵抗で、電圧調節できるようにします。
これで
入力+の電圧は 光センサからの電圧と常に比較され、追い抜くと 出力に電圧が出ます。
- 明るいとき センサからの電圧3.08V → 出力0.6V
- 暗いとき センサからの電圧0.48V → 出力3.8V
暗くなるほどセンサからの電圧が下がります。
そしてあるポイントまで下がると
ポーンと コンパレーター出力:0.6V→3.8V に上がり、そのポイントは可変抵抗で調節できるという回路ができました。
出力にLEDをつなげ、その上昇 出力:0.6V→3.8VでLEDは点灯します。
(テスタ測定で確認)
可変抵抗が作り出す入力+への電圧を測って知っておき、センサへの明るさを変えてA点の電圧を測りながら LEDが点灯する瞬間の電圧などを試してみてください。また明るさを変えて、LEDがついたり消えたりするのも。
コンパレーターの特徴をスイッチとして使い、けっこう簡潔にできました・・・・
光センサに反応する回路を作り少しずつ改良してきました。
しかし実際、センサ回路というモノは、そんなあまいものではありません!
ということを、センサの反応に応じて細かい制御をしたことある人ならば、きっとそう思うのではないでしょうか?
目論見通りにスルッといかないのがセンサの反応です・・・センサの反応にいっぱい苦しめられやっと安定動作させた、、そういうことが身になったりするものです。
この回路は単純でしたが、うまくいかない(苦しめられる)場合のことも考えてみましょう。
バタつくライト
仮に、うまくいかない、センサにありがちなケースを仮定してみます。(あくまで仮定で実際こんな問題が出るかはわかりませんが)
この暗くなるとLEDが点灯する回路を屋外に設置するとします
夕暮れ時の薄明かりになると パッ と LEDライトが薄明かりの中、自動で点灯してなかなか良さそうです♪
しかし大自然の光が相手ですから、まっすぐ坂を下るように暗くなってくれるわけではありません。
センサから見れば、少し暗くなってはまた少し明るくなる という微少な変化を繰り返しながら徐々に暗くなっていきます。
仮に2.5VちょうどでLEDライト点灯 、とすると、
コンパレーター回路は 2.5Vをまたぐと、点灯、消灯することになります。
2.47V → 点灯
↓
2.58V → 消灯
↓
2.41V → 点灯
このように LEDライトが点灯するポイントで電圧が振れると、ついたり、消えたりをしばらく繰り返すことになります。
これでは夕暮れ時の薄明かりになると パッ と LEDライトが風情有りげに点灯するハズが、ついたり消えたりをしばらく繰り返して十分暗くなってやっと安定する興ざめなライトになってしまいます。
改善させる安定回路
この点を安定させるために コンパレーターのシュミット回路のヒステリシス特性を用います。
と書けば、横文字に惑わされ、難しいことをしそうに見えますが、やることは内容を見ると簡単でです。
>オペアンプ シュミット回路 を見て原理を理解しておいてください。
シュミット回路とはグラフを見ればわかるように
上がり と 下がり の電圧が異なるのです。
いったん下がると上がりにくい。。。
シュミット回路に変更
シュミット回路にするのに 太線の抵抗を追加しています(これだけ)
この回路では
いったんONになればこっちのもの
なかなかOFFにならないのです
→ ついたら 消えにくいライト
いったんONになると電圧が多少変動しても、ヒステリシスの差から 出力の電圧は多少の変動では振れないのです。
この特徴を使って、ばたつきを安定させることができ、、変更も抵抗1本加えるだけです。
このようにヒステリシス特性は、出力が変動するの防ぐために利用されたりします。
*可変抵抗を回すことでLED点灯の電圧を変えることができますが、同時にヒステリシスの幅なども変わることになります。 この辺も計算式などから試してましょう
実験でこうですとヒステリシス特性を学ぶより、こうやって問題解決をにらんで考える方が納得いくと思います。
これで、夕暮れにバタつくライトは解決できた。。としましょう
- twtter
- google+
- hatena