テスターでよく使うのは、電圧測定、導通検査などです。
それぞれの測定で、テスターの操作や当て方が違う・・
誤るとテスターが壊れることもあるので、操作の注意やコツの説明も加えました。
操作方法や注意点などを知っておきましょう
ページ内もくじ
テスター各部
主にこのデジタルテスターP-10で簡単に使い方を解説。
テスターの種類によって異なりますが、基本的な操作は同じなので、最初は説明が多少難しくても使っていくうちに自然とわかります。
デジタルテスターP-10
アナログテスターは kaise KF-7 を使用して説明
テスター各部の役割や名称
テスターを使うのに必要な各部の名称や使い方などを最初に。
リード棒
赤と黒の棒が リード棒 といいます。
電気の世界では当たり前のように
赤:+ 黒:- となっています。
測定では、赤色を+側に、黒を-側に当てます。
測定レンジ
真ん中のおっきなダイアルで電圧、電流、抵抗などの測定を切り替えます。
測定レンジといいます。
- V 電圧測定
- Ω 抵抗測定
- μA 微小電流測定
- A 電流測定
ボタン類
*このボタン類は、テスターごとに違う機能ボタンです。
- SELボタン 機能を切り替えます
- D-Hボタン デューティー比を測るときに
- H/Dボタン ホールド:表示がふれるときに、ボタンを押すと表示を固定しま
電池
テスターにも電源が必要です。
電池が入っています。
テスター裏側に 電池を入れる
(このテスターはボタン電池×2)
テスターの測定の調子がおかしいときは、電池切れの原因もあるので、電池にも注意
測定の方法 (テスターの使い方)
テスターで測るのは主に、
電圧測定、電流測定、抵抗測定、導通検査、電池残量チェックなど
それぞれの測定で、テスターの当て方に違いがあり、注意点もあります。
1.電圧測定(直流)
テスターを使うのに一番よく使うのが電圧測定です。
上から当てるだけで測れるので簡単に測定できて、まず電圧を測って回路の様子を探っていきます。
直流はDCと表されます。(交流はAC)
直流電圧の測定方法です。
電圧測定のテスターの当て方(接続方法)
電圧測定回路 電圧の測定は、
並列に(リード棒)を当てる
リード棒+を
- +側に(絵では上側のリード棒)
- -側を -側に
当てる。
テスター自身の電圧測定動作
テスターは
回路に流れる電流の
一部を
抜き取り検査 のようにテスターに
取り込んで電圧を測定
- 電圧測定では、測ろうとする回路に(電源を入れて)電気を流した状態で測定します。
- 抵抗測定などは、測ろうとする回路に(電源を入ず)電気を流さない状態で測定
電圧測定の測定レンジ
真ん中のダイアルをカチカチ回して、測定する電圧より大きめのDC:直流電圧レンジにします。(交流電圧の測定はACレンジにする)
アナログ
測定する電圧値に分かれていなくて、 V のように1つだけののも多い。 オートレンジといわれます
デジタルテスター 電圧測定(直流)
このデジタルテスターは交流、直流の区別は ”sel” ボタンで切り替え
測定レンジを(おっきなダイアル)を回して ” -~V” のレンジにします。
-~Vレンジにしたら
sel で AC,DCを切り変えると
表示がDC、ACと入れ替わり
リード棒を当てると電圧が数字で表示されます。
- DC 直流 ”-” マークで表される
- AC 交流 ”~” マークで表される
(オートレンジのテスターなので、測る大きさによってレンジを変える必要ない)
電圧測定したところ
画面上の表示が ”DC” となっていて、 DC直流での測定になっているのがわかる
1.228V になっている
* テスターは直流、交流両方測れるので、必ず間違わないよう測定レンジを確認
アナログテスターの電圧測定も同様ですが、多少違う。
アナログテスター 電圧測定(直流)
直流の区別は 測定レンジを回して切り替える
直流 :DCV 交流:ACV
測定レンジを(おっきなダイアル)を回してDCV の
10,50,250,500V
のどれかの電圧レンジにします。
アナログテスターは測る大きさによって、レンジを変える必要がある
直流レンジでも電圧測定レンジが10V、50V、250V とか分かれているので、
5V程度を計るなら、直流電圧10Vレンジにして測定。(最大で10Vまで測れるレンジ)
どのぐらいの電圧かわからないときは、最初は最大の電圧にして、下げていきます。
最近のデジタルテスタはオートレンジなので、このような刻みごとに合わせるのが自動になっている このへんもデジタルが手軽に使える利点
しかし、アナログテスターは使い慣れると針の振れ方の強弱で”手応え”のような測定感があるのが利点。
(この点でアナログ愛用者も未だに多い)
電圧測定したところ
電池の電圧を測ってみたので10V以下の測定
電池電圧だから 10Vレンジに。
メーターの目盛りは、10Vレンジに対応した
最大が10の目盛り段を見ます。
すると、針の振れた目盛りのキザミがどんなもんかわかるので、そのキザミ単位で針を読みます。
最大が10の目盛り段で
目盛りが指しているのは1.4V
(アナログはこの辺がメンドウ)
* アナログテスターの0点調節(測定の前に)
測定の前に ズレがあるなら針が原点0をさすように、 0点に合わせる操作をする
(このテスタでは)中央の調節つまみで
0点に調節
(このテスタでは)中央の調節つまみで
0点に調節
それ以外に抵抗の0点調節もある 次の抵抗測定
スケールをオーバーすると
たとえば、5Vレンジにして、10Vとかの電圧を測ると、測れるスケールを超えます
すると
- デジタル式
- ”0L” と表示されます。
- アナログテスター
-
合わせている測定レンジよりも大きい電圧を測ると
カキーンと針が振り切れるので、測定する電圧よりも必ず大きめのレンジにします。
何Vかわからないときはそのテスタで測れる最大電圧のレンジにしてから測定し、測定レンジを下げていきます。
- テスターの測定では、最初に 測定したい項目にレンジをあわせてから、テスター(のリード棒)を当てて測ります。
- ダイアルを回して測定を他へ変える場合は、かならずリード棒の接続を離してから、レンジの切り替えをします。
リード棒を当てた状態でレンジを切り替えると、測定する回路から来る電気でテスターが壊れる、ヒューズが飛ぶことがあります。
2.電流測定(直流)
電流の測定は、テスターに負担がかかる測定となるのでテスターに応じた正しい電流設定にする。
電流の測定はは、直列にテスターを当てます。回路の道に割り込ませる必要があります。
電流測定のテスターの当て方(接続方法)
電流の測定は、直列にテスターを
当てます
リード棒+を
- +側に(絵では上側のリード棒)
- -を -側に
回路の道に割り込むようにつなぐ
テスター自身の電流測定動作
テスターは
回路に流れる電流をすべて
テスターに飲み込み 取り込んで電流を測定
- 電流測定でも、測ろうとする回路の(電源を入れて)電気を流した状態で測定します。
- 抵抗測定などは、測ろうとする回路の(電源を入ず)電気が流れていない状態で測定
電流の測定は、電圧のように上から当てるだけでは電流は測定できません。
基板のように完成している回路なら、ラインをちょん切って間にテスターを割り込ませることになります。
だから完成した回路、基板では電圧のように簡単に電流は測れないと思ってください。
電圧測定と同様に測定する電流のレンジにあわせます。
デジタルテスター 電流測定(直流)
直流電流 を測るには -~mA 続いて ”sel” で DC にして、測定します。
それでは大きすぎるなら、さらに小さなμAレンジに切り替えます。
このP-10には 電圧と同じく交流、直流 を切り替え、-~uA、-~mA のレンジがあります。
電流測定はデジタルテスターは、より微小な電流も測れます。
- mA単位の電流を測るなら -~mA
- uA単位の電流(より小さい電流)を測るなら -~uA
のレンジに設定
mA= 1/1000 A
uA= 1/1000 mA
直流電流測定は
”sel” でAC,DCを切り変えると
表示がDC、ACと入れ替わり
(DC) にします。
- DC 直流 ”-” マーク
- AC 交流 ”~” マーク
で表される
このテスターP-10の最大範囲は200mA これ以上のものを測ってはいけません
*電流測定では、テスターによって測れる最大電流があります。小型は最大が小さいので注意
大電流 測定
テスターによっては、電流測定の場合にはリード線の差し込み口を変えるタイプがあります。
テスター大電流測定切り替え位置
電圧、抵抗などの測定は、 VΩHzの差し込み口から
電流測定では
- mA(小電流測定)
- 10A(大電流測定)
の差し込み口に変えます。
電流測定した後は、 もとの差し込み口に戻しておきましょう
この電流測定のまま電圧などを測るとテスターが壊れることもある
アナログ針式テスター 電流測定(直流)
直流電流測定は
直流 :DCmA に合わせます。
測定レンジを(おっきなダイアル)を回して DCmAの 25,250
のどれかの電流レンジにします。
- 25 : 25mAまで
- 250 : 250mAまで
メーターの目盛りはレンジの数字と目盛りの最大値を見て レンジと同じ段を見ます。
- 25 : 25mAまで
- 250 : 250mAまで のどちらか
このテスタは電流測定では
右側の上から2番目 250の目盛り段を読む。
- 250mAのレンジなら そのまま
- 25 のレンジなら 1/10
にして読む
(アナログテスターでは通常、μA単位の微小な電流は測れません)
テスターを壊さないための注意
* 電流測定では
テスターのヒューズが過電流で飛ぶことがあります。
電流測定ではヒューズが飛びやすいので注意。
小型テスターの電流測定は最大でmA単位までがほとんどなので(つまり小電流しか測れない)、
コンセント100V機器や自動車、車バッテリーなどの電流は測れないと思った方がよい。
テスターが壊れることがあります。
!電流測定レンジは
電圧測定のような一部の電気を分岐して測る、抜き取り検査のような測定でなく、テスターが測定電流を飲み込む負担がかかる測定となります。
電流測定レンジにしたまま電圧測定のようにテスターを当てると壊れることがある。
電流測定レンジは特殊な測定のレンジぐらいに考えて、電流測定レンジにして測った後は必ず電圧測定など他のレンジに戻すようにした方が、テスターを壊したりヒューズ飛ばしたりする誤操作防止になります。
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