ブレイカーでわかる家庭の電気

ブレーカー配電盤

家の分電盤(ブレーカーボックス)の中のブレーカーを見れば、家の電気の接続のしくみがある程度わかります。

そして、意外と簡単に理解出来る!

家の電気は電柱から電線を引き込んで電気をつないでいます。

家庭用のコンセントは100Vですが、200Vにすることも可能。
家庭用電気の電圧の違いや仕組みのお話

ブレーカーの役割

電気を使いすぎると、”バチィ” と飛んでしまう、おなじみのブレーカーですが、
そのしくみと接続を見れば、家の電気のつながりのしくみがわかってしまう

 

ブレーカーパネル

 

先の説明で、

コンデンサを試す パスコン

 

に出てくる、並列接続で次々と接続を増やす方法の基礎的な電気回路の接続

 

並列接続簡略図

 

家の電気は交流ですが、電気の基礎で 家の分電盤(ブレーカーボックス)のブレーカーのつながりもこれを延長すると理解できてしまいます

 

ブレーカーを眺めてみよう

家の電気のモト、分電盤のブレーカーは、一見難しそうに見えますが交流でも電気の基本知識があれば理解できます。

 

配線板 ブレーカー

 

家の壁の分電盤をみると、一目でわかることがある・・

 

難しそうなブレーカーの配線

 

中身は種類や電力会社によってもいろいろ違いますが、こんなかんじで配線とブレーカーがいっぱい。

 

配電盤ブレーカーの中身

 

とても複雑そうに見えます・・・

実際は、電気の基本的な知識で理解出来ます。

 

始める電子回路 の 「電子回路の基礎」 と「電子回路」 をだいたい読み終えて理解し終えたなら理解出来ると思います

 

分電盤(ブレーカーボックス)の仕組み

壁の上にある分電盤(ブレーカーボックス) これ難しそうで専門的に見えるが、これが理解出来るとちょっと電気がわかった気になれます

 

そして、思ったより簡単なことがわかる

 

配線板 ブレーカー

 

電気のつながりと配線は、意外にも基礎はつながっていて仕組みは単純です。
理解出来ても、知識だけでむやみに触らないようにしましょう! 感電や火事の恐れがある

 

分電盤(ブレーカーボックス)の中身は?

 

壁の上の分電盤はこんな中身です

これを見ても難しそうですが・・・

 

分電盤全体の中身

* サービスブレーカー(リミッター)は地域により電力会社によって、付いていないところもある

 

左上の太い ウニウニと入ってきている太い3本線が電柱から来ている配線

 

  1. サービスブレーカー(リミッター)は、総量を制限するもの(電力会社が取り付ける)

    リミッターがあれば(ない場合もある)スイッチを見ると、何アンペアまで使えるのかわかります(契約の容量)
    (50Aとか書いてあったり、色でもわかる:電力会社によって色分けは違う)

  2. その下にメインブレーカー(漏電遮断器、主幹ブレーカー)とも呼ばれ、規定以上の電気が流れると遮断するブレーカー
    1.のリミッターと同様の働きですが、これは安全保護用に取り付けられる

  3. そのさらに下に、子ブレーカー(安全ブレーカー)がつながっているという仕組みです。

(上の図は単相3線式という一般的なブレーカーの接続)

 

ブレーカーのつながりは?

家庭用の電気は、いっぺんに使えるアンペア数(A)があります(知らなくても何Aまでかの契約がある)

 

分電盤全体の中身

 

電柱からの電線は

最初にリミッターに入ってくるのは
電力会社の設定で ”これ以上はダメ” と契約アンペア内で電気を遮断する
図では50Aまで。(ない場合もある)

 
続いて、漏電ブレーカーに入り
ここで電気の総量がオーバーすると遮断
(リミッターと同じく総使用量の制限ですが、こっちは安全保護用

それから、子ブレーカー(安全ブレーカー)へ
小分けに配線が分かれます。
(小分けで使用量の制限

 

メインブレーカーと子ブレーカー

上の図は単相3線式という一般的な分電盤(ブレーカーボックス)ですが、一番左のリミッターがないもの(地域)も多い。

ブレーカーボード リミッターなし

 

わかりやすいように2線で、メインブレーカーと子ブレカーにだけにするとこのような接続です。(古いとこういう2本線の分電盤もあります)

 

分電盤2線式

 

メインブレーカーの下に、並列にいくつもの子ブレーカーがつながっています。

 

そしてその各 子ブレーカーは、
各部屋などへ、また並列にコンセント2,3個に接続されている という仕組み

 

分電盤とコンセントの接続

 

部屋で、電気の使用量をオーバーすると、対応する子ブレーカーがまず最初に落ちるしくみです。

 

専門的に見える分電盤も、意外と仕組みは単純です・・

 

ブレーカーが落ちる仕組み

電気の使いすぎでブレーカーが落ちるときは、先に(安全ブレーカー)子ブレーカーが落ちます。

 

子ブレーカーはメインブレーカーの容量にかかわらず1つで通常20Aまでなので、ブレーカーが飛ぶのは 

 

  1. 子ブレーカーに20A以上かかったとき
  2. または総量で50Aを超えたとき(メインブレーカー50Aの場合)

 

このように親:メインブレーカーの下に 子:子ブレーカーと、2重にブレーカーがつながっているワケは?

 

子ブレーカーがなかったら・・

もし、子ブレーカーがなければ、
どこかの部屋で電気の使用量をオーバーすると、メインブレーカーが落ちます
(配線のショートなどでも落ちます)

 

すると・・

 

家中の電気が全部遮断されて、関係ない部屋まで 家中真っ暗 になります。

1部屋だと問題ないのですが、 一戸建てだと、突然 何がおきた! と驚く


それだけでなく、1つのコンセントで最大の電気を使うことも可能になります。

 

するとコンセントや配線に大きな電流が流れ極端な負担がかかるので、小分けに子ブレーカーで区切られています。(子ブレーカーが下にあれば20Aまでで遮断)

 

実際は不便だからでだけはなく、このような安全上の理由も含めて区切られている

 

ブレイカーが飛ばない使い方

 

さて、クイズです。 (答えは最後)

 

ブレーカー クイズ

 

ブレイカーとこんなふうにつながるコンセントが3つあるとします。

 

分電盤ブレーカー3線

 

この3つの家電を同時に使うと、よくブレーカーが落ちてしまいます。
  1. 掃除機:10A
  2. 電子レンジ:15A
  3. ドライヤー:6A

 

ブレーカーが落ちないように使うには、それぞれをどのコンセントに差し込めばよいか?

 

もうわかりますよね? (答えは最後にあります)

 

家庭用の電気の電圧

 

ブレーカーボード

 

家の電気 日本では全国100Vです。

周波数だけ西日本と東日本で60、50Hz で違いがある。これは常識ですね。

 

それだけに、日本のほとんどの家電は、100V のコンセント用にできています。

 

しかし、最近 200Vの家電が堂々と販売され始めました。

 

パワーの大きいエアコンがその代表です。
家庭用なのに200Vコンセント専用になっている
200Vの方が大きい電力を使うには有利なので、家庭用でも200V家電が販売されている。


家庭用の電気製品で200Vとなると、”普通の家では使えない” と思いますが、意外に簡単に200Vのコンセントを作ることが出来る

 

あまり知られていないことですが、 配線を変更するだけで200Vのコンセントを作り出すことができます。

 

3線式の分電盤の配線の仕組みがわかるとこれも理解出来る

 

3線式の100V

最初の例の2線式は、2本なのでわかりやすいですが、単相3線式では

単相3線式の分電盤

このように3本の線が来ています

 

3線式だと100Vの他、200Vもできます

(今ではほとんどの家が3線式です、だから200Vのコンセントも作れる)

 

分電盤ブレーカー3線

 

今の通常の家庭用は電柱から3本の線(単相3線)で引き込まれています。

 

コンセントを200Vにする

通常の家庭用の電線は電柱から3本の線(単相3線)で引き込まれています。


古いタイプだと2本の線:2線単相があります。これだと200Vにするには電柱からの引き込み線の変更工事が必要です。

 

どのように200Vにするのか

 

交流でも電気の基本は同じなので、

分電盤の3本の線は 仮に3本の線をこのよう理解すると早い 

 

 

3本の線をそれぞれ

 A線:+100V   中線:0V(中線)   B線:-100V

 

としたら コンセントが100Vの接続は以下のように作られます。

そして200Vコンセントも可能になる。


100Vのコンセント
100V100V

 

+100V
  |
0V(中線)

 

 

0V(中線)
  |
-100V

 


このようにして100Vコンセント

赤-白

100Vコンセント

白-黒

100Vコンセント


200Vにするには
200Vコンセント
+100V
  |
-100V
200Vコンセント

 

このように接続して電位差200Vを作る

 

 

このような接続を変えて200Vにしてしまう方法の可否は電力会社の判断になりますが、一般にこのような工事をして家電用コンセント200Vを作っています。

 

このような配線工事は、電気工事の有資格者でないと法令上できないことになっているので安易に触らないように!

 

実際の工事

実際に、200Vコンセントを後付けで追加すると

 

ブレーカー外付け

 

後から工事をすると、
このように後付け外付けで、配線を壁の上に這わせて子ブレーカーからつながることが多い

 

 

そのコードがつながっているのは

 

後付けコンセント

 

後付けで追加の子ブレーカーにつながるコンセント

 

 

この後付けの様子を見ると・・

 

以前の項目

 パラでひっぱてくる並列接続

 

で出てきた説明の用語がぴったり当てはまる(笑) 

見た目は、追加の電源の必要に迫られ現場対応で ”パラで引っ張ってきて” つけたかんじ(笑)

 

でも、 メイン電源から分岐させて ちゃんと並列接続にしています
ちゃんとした工事ですよ これ 

 

なぜこのようになっているのかは、ブレーカーのつながり見れば、そう難しくないしくみなのがわかります

 

交流でも直流でも、電気の基礎的な知識は同様、だからその知識で理解できます。

 

クイズの答え

上記のように、各 子ブレーカーは1つ20A以上かかると落ちます。

 

だから、1つの子ブレーカーに20Aかからないようにコンセントを選ぶ!

 

 

1つの子ブレーカーにつながる2つのコンセントに注意

 

このコンセントに

 

掃除機:10A + 電子レンジ:15A = 25A (アウト!)

 または

ドライヤー:6A + 電子レンジ:15A = 21A (アウト!)

 

このときに落ちるので 違う 子ブレーカーにつながるコンセントを使う

 

 2コンセント

 

 掃除機:10A

 ドライヤー:6A

 

 合計16A セーフ!

 

 1コンセント

 

 電子レンジ:15A

 

 合計15A セーフ!

 

この組み合わせでコンセントに差し込むとブレーカーが落ちずにすむ。

 

* 3つの合計は10+6+15=31A 
いくらコンセントをうまく分けても、メインブレーカーが30A以下ならメインブレーカーが落ちます こういう場合は総容量を上げ40A以上にする

 

こうやって家の電気は、子ブレーカーで部分的に制限 保護、
同時にその上につながる メインブレーカーで総量を制限 保護しています。

 

実際には、どのコンセント群がどの子ブレーカーにつながっているのかは、配線図がないとわからない、配線のつながりも壁の裏になって見えないので、

 

実際は
 子ブレーカーを切る=コンセントも電気がこなくなるか?

 

を繰り返して、子ブレーカーにつながっているコンセントを探すことが多いです。

 

あまり詳細に説明すると余計わかりにくくなるので、分電盤の接続等、理解しやすいような流れと例えでの説明ですが、一般的に家庭の交流でもこのように理解して差し支えないと思います。

 

分電盤の電気の接続や使用方法は、電力会社によって異なります。だから地域の電力会社ごとに分電盤の中身や容量契約の種類は異なります。

 

実際には、メインブレーカー(漏電ブレーカー)の容量は、契約容量(リミッターがあればその容量)の半分のものが付いていることが多いようです。(理由は省略)

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2017/ 1/10