回路図の考え方について
電気、電子回路や電子工作で回路図がわかるようになるため、
豆電球や中学、高校で習う回路から回路図に入るとき、違いは記号や図だけではありません
まずは 豆電球
まず、豆電球の図だとこのようになります。

今ふうに豆電球の代わりにLEDに
してみるとこうです。(LEDは抵抗が必要)

そのLEDの図を
回路図の記号に直すとこのようになります。

そして 回路図に書き直すとこうなります
回路図
これが、LEDの回路図です。

一見、上の記号の図を縦書きにしただけのように見えます。
しかし、ちゃんと理由があり、なぜこう書くかというと
回路図では 原則的に電気の流れは
左から右へ
そして
上から下へ 流れるように書きます。
電気は + → - へ流れます。
だから 自然と 電源を左側に書き、プラスを上に書くようになります。
(実際電子は - → + に流れますが、回路は + → - へ 流れる考えで蓄積されたものなので + → - で全て成り立っています)
これを見ると、図を縦書きにしたようにしか見えませんが、
注目はマイナスの配線 です。
マイナスとグランド(GND)
電気、電子回路や電子工作でも回路を見ると
回路図には、グランド という言葉が必ず出てきます。(GNDと表されることも多い)
回路図ではグランド(GND)は
通常一番下の太線の配線です。

マイナスの配線のことだと思われていますが、これが最初に回路図を理解する カギ です。
豆電球や中学、高校で習う回路の図ではグランド(GND)というものはでてきませんし、その考え方も習いません。これが、これから回路図を学ぶ人の最初の壁になるでしょう。
グランド(GND)とは?
マイナスの配線のことです。しかしそれだけではありません。
豆電球回路をみると 電池の + - の配線は 両方同じように対等に描かれ豆電球につながれています。
回路図ではそれを縦にしただけに見えますが、実は全く違う考え方で作られています。
高校で習う回路の図では プラス配線とマイナスの配線がいつも対等に扱われています。
中、高;校生までで習う回路
高校で習う回路の図では プラス配線とマイナスの配線がいつも対等に扱われています。
回路図としての回路
回路図ではマイナスの配線は 実質 一番下の太線のグランド(GND)だけです。
これは LEDの両端の足にプラスとマイナスをつないで電気を流し、LEDを点灯させるという以上に、全く違う考え方で作られるからです。
グランドの扱い
回路図では マイナスは下水の扱いになっています。
つまり、電源の+から出た電気が 回路の配線をかけ巡り、モーターを回す、電球を光らせるなどいろいろ仕事をしたあと、役割を終えて最後に下水に流れて消えていくようなものです。
その下水がグランド(GND)です。よくグランドにつなげることを ”グランドに落とす” といったりします。
回路図ではマイナスとは呼ばず、それをグランド(GND)と呼んでいます。
回路はプラスで組み、最後に下水(グランド(GND)に落として、流れ出て消えていくと考えたらいいでしょう。
そう考えるとプラスの流れを考えていけば回路ができるので、マイナスの配線に頭をひねる必要もなくなります。
電気回路は暗にそんな考え方でできていると考えましょう。
また多くのICを接続する回路図の場合に、 回路図の方がよりわかりやすくなります。
回路図を再び見ると
先のLED点灯回路をこの考え方で再び見ると
”LEDのプラスをつなぐ側に抵抗を通して+線、LEDのマイナスをつなぐ側に-線を接続すればLEDが光る”
ではなく
”電源の+から出発した電気の流れは 抵抗をくぐり、LEDを通り光らせた後、
使命を終えて(グランド(GND)に消えていく”
というように考えましょう。
今まで回路図を見てもよくわからなかった人は、トランジスタなどで電源が2つ以上出てくる回路図でも、この概念で根気強く、いろいろな回路図を見ていれば、きっとわかるようになるでしょう。
グランド記号で表す
また、回路図では グランドはこのような記号でも描かれます。

回路図はこのように電源のマイナスまで結ぶ代わりにこの記号で書かれています。
この記号で書かれているところは
全て 電源のマイナスにつながれています。

こう描いても同じで、この回路図と上の回路図とは全く同じでGND記号を使って書くとこうなります。
よく見かける回路図です。
これも下水のイメージですね。
グランドと下水のマイナス
回路図ではマイナスの配線は不等に軽視されているように見えます。
グランド(GND) はそんな下水ですがあなどれません。
下水が詰れば水はあっても水を流せなくなるのと同じで、水を少しだけしか出さないときでもいつも即座にサッと排水出来るのが理想です。
グランドの格言に
グランドは太く、短く! と 言われています。
- グランドは 太く(→抵抗を少なく)
- 短く(→あちこち床下中に下水を張り巡らさず、短く)
して、サッと排水してやるのがよいのです。そのようなグランド配線を心がけましょう。
ノイズやなんやらで予定どおりうまく動かないとき、回路を調べるとグランドはやっぱりこの原則になると感じます。
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