PICerFT(自作ライタ)
PICライタで自作系ライタは、以前RCDライタ、パラレルポート接続のライタを制作し使ってみました。
時はUSB主流となり、以前のパラレルポート接続タイプの次作として
USB版が公開されたので自作してみました。
PICerFT について
自作できるライターとして他の自作ライタとはちょっと違った特徴があるユニークなライタです。
フリーで使える PICの自作ライタとして選択の1つにあがるでしょう。
制作し、後悔している場所
ホームページ
PICerFT完成写真
作ってみて完成したライタ写真 ケースにいれケーブルも付けた完成写真です。
(始めの説明通り、これからPICの人は自作ライタで入門するにはその注意点なども考えに入れましょう)
以前 同作者のパラレルライタと書き込みソフトPICerを自作して組み立て便利に使えました。(下写真は旧パラレルライタ)
旧picパラレルライタ完成写真
もはや古いのでパラレルライタ製作記事は削除 (2012 5月)
PICライタ PICerFTとは
Picerパラレルライタの後継でUSB接続のライタです。
USB接続ICSP書き込みのPIC用の書き込み器です。AVRのチップにも対応している。
フリーとして、回路図、書き込みソフトが公開されています。(将来有償になることもあるとのこと)
特徴として数ある他の自作ライタと違う点は、書き込み器(ライタ基板)にPICやAVRなどのチップが不要のところ。
自作できるPICライタはいくつも公開されていますが、
このライタの1番の特徴は、RCDライタ同様、いわゆる卵と鶏問題がでない数少ないライタな点だと思います。
ライタにマイコンを使う他のライタでは、ライターを作るのに書き込まれたマイコンチップが必要になる。
つまり、ライタを作るためにライタがまず必要、といういわゆる卵と鶏問題。
このPICerFTは、代わりに 市販のUSB通信ボードFT232RL を使用しています。この機器が必要です。
このボードと周辺回路を作ればできる。お手軽ではあるが回路は部品数がRCDライタほど少ないとは言えず簡単とはいえないけど作りごたえのあるライタです。
これは、ライタ基板上に書き込み制御マイコンを持たず、クロックタイミングなどをPC側で制御するのでPCのパワーを喰うのと書き込み時間がちょっと余計にかかるのがちょっと負の特徴ではある。
詳しくは元HPに回路図や部品など説明資料PDFやHPページがあるのでそちらを参考に。
PICerFTの特徴を簡単にまとめ
- USB接続のライタ(外部電源不要の書き込み)
- ISPのPICライターとして多種のチップに対応 、AVRにも対応。つまりPIC多種とAVRの両方対応ライタ。
- 制作に書き込み済みのPICやAVRが不要、代わりに USB通信ボードFT232RL を使用。(卵と鶏問題回避)
PC側で書き込み制御する。(他ライタより少し書き込み時間がかかりPCパワーを喰う) - 書き込みソフトも同時に専用ソフトを公開(Windows7にも対応)
AVR対応ライタとしては、最後の方にAVRの対応チップ表があって、PIC用として開発され、同じ機器でAVRにも使えます
AVRライタとしては、クロック供給機能があります。(6MHzが出ているようです)
このおかげで、誤って外部発信設定Fuseを書き込んだチップもライタ側から供給して書き直しが出来そうです。
作ってみようと思ったのは書き込みソフトを同時に公開している点に惹かれました。機器と専用のソフトは使いやすくて安定感もいいので。
費用の面で比べると費用はこのライタの説明に部品リストと価格もあり、1300円程度(ほどんどがUSB通信ボードの価格) ICSP(ISP)書き込み、多種の新チップのPICに対応しているので価値ありでしょうね。
以前のPICerの書き込みソフトが小さくてシンプルで手軽に使いやすかったので今度も期待です。
PICerFT制作
ユニバーサル基板でつくってみました。もっと小さくもできますが通常の基板で制作。
PICerFT製作写真
PICerFT製作写真 Tr4個の回路なので制作は時間がかかりました。
小亀ボードのUSBボードが載るので高さががあがります。
実装から考えて丁寧にやると(そこから丁寧にしないと後で問題でると余計大変)周辺がアナログ回路なのでだいぶ時間がかかりました。作り応えはありました。プリント基板販売などがあるといいですね。。
部品
FT232RLの基板、コイルも秋月で、ほぼ秋月通商などでそろうと思います。取説の部品リストなどを参照
今回の制作は部品リストと同じでなく、
抵抗は全部1/6W、ダイオードは旧の2076、インダクタはちょっと型番が違うが同メーカの秋月販売品を使用しました。
とりあえず、特定のチップの書き込みに必要な9Vのツナは持ってなかったので省いて作ってみました。
制作
Tr1815、Tr1015の両方を使用しています。回路図では1815は下側:主にグランドにつながれる側がエミッタ、1015は上側がエミッタとなるので注意。(意味わからない方は部品説明の本などのトランジスタのNPNのTrの説明などでちゃんと確認した方がいい)。なかなか制作は大変でした、でも久々に作り応えのあるライタだった。
【完成後のチェック】
*以下の確認する前に、下の設定を先に
完成すると簡単な確認チェックの点として
通信ボードから常にクロックがでているようなので、USB接続すると昇圧回路のライン:12Vツナの(上側カソード) とGND
電圧を測って12Vが出ているとまずはOK。
悩んだところは、チップ認識は自動でOKなのに書き込みエラーになったところ。
Vdd電圧でした。通信ボードFT232RLの ジャンパ1(JP1)設定が原因。
取説の写真ではジャンパ1は1-2間につないであり、この通りだと思っていたのだが、どうやっても16F648に書き込みが×に。。。
FT232RLのデータシート詳しく見ると、Vccを5Vにするには J1=2-3間 につなぐとある。
PICの書き込み方式詳しく知りませんが3.3V書き込みのものはここできりかえるのかな。
16F648への書き込みはジャンパJ1=2-3間 にするとすべてOKに。
端子のVddが5Vになっているかも確認しときましょう。(書き込むターゲットチップによって3.3V書き込みどについてはよくわかりませんが)
設定
使用前に機器FT232RLの側にソフト設定の書き換えの必要(元HPの取説参照)
このソフトをダウンロードして説明に従い書き換えますが、WinXPの場合、実行できませんでした。
NET Framework 2.0が必要。
これはWindowsのセットアップ状況にもよるかと思いますが、
PICProg4U(RCDライタの書き込みソフト) にある注意 と同様の問題で、PCにインストールされていない場合はマイクロソフトサイトからダウンロードしてインストールする必要がある。同じ問題なので、PICProg4Uのリンクを参考にするといいでしょう。
ライタソフト
ライタにはライタにあわせた転送ソフトが必要です。
これも開発元のホームページで専用ソフトが公開されています。
説明 下
使用感
ライタソフトがほとんどのチップを自動認識して、ソフトの窓枠も小さくて主にチップ自動認識で気持ちよく動作する感じです。取説も充実していて完成度高そうな印象です。(あんまり取説から詳しく読む人は少ないと思いますが)
ライタソフト
PICerFT書き込みソフト画面 ××.hexファイルをWriteボタンで選択すると書き込みが始まる。
書き込み時間は他のライタに比べ、説明通り少し多めにかかるのを感じます。
ただプログレスバー(棒が横に伸びてくやつ)があるのであまり気にはなりません。
多種類のチップを自動認識。
窓が小さくてボタンや設定が少なく操作がシンプルなのが特徴かな。
ちょっと他のライタと違った感じのライタだと思いました。
卵と鶏問題のないPIC&AVR両方用ライタで、外部電源なしで書き込めること(ノートPCなどのUSBポートなどではどうなのか不明ですが) 、また最新チップに対応の自作できるライタというのが大きな特徴かと思います。
書き込みとベリファイでしばらく時間がかかりちょっと待たされるのも特徴ですね。満杯のファイル容量でもそれほど気にならない程度でした。
AVR、PIC両対応なので、それぞれPIC派、AVR派がセカンドライタとして作ってもおもしろそうだと思います。
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