その前に H8/3048、3052 について
H8は秋月電子通商ラインナップのH8の中で H8/3052F という機種が標準のようです。
だいぶ前に発売された機種ですが、いままでの実績、使用者の多さなど、学習する書籍などでももっとも中心になっています。そして、それ以前の3048Fも同等の性能。
3048,52Fの場合は
をご覧下さい、とても幅広い範囲でかかれ、入門から応用まで数冊分の本になりそうなHPです。
3664F、3694Fはその下位機種のグループといえます。機能は削られていますが、小型で安価、なかなかの機能があります。これが中心とないっている分、3664Fの情報が少ないような気もします。
ワンチップマイコンといわれる種類はいろいろありますが、PICが有名です。
構造もPICのようにめんどうなところを感じず、とても素直で使いやすいと思います。PICが安価で入門によく使われます
H8/3664F, 3694F とは
ルネサスから発売されている小型のマイコン、H8ファミリーの中の小型です。Tinyと呼ばれるグループ。
3664Fがもともとで、そのマイナーチェンジ版の新型が3694F
発売元は 日立→ルネサス と社名が変わり、三菱のマイコン系部門と合併して、同じような小型マイコンとして、三菱系だったR16もラインナップに加わっています。
●3664Fと3694F
秋月電子で取り扱う2つの同等のH8Tinyです。
3664Fの次に3694Fが少しだけ改良されて新発売されました。(秋月電子の製品は基板は全く同じでチップだけ変えているそうです)
2つの違いは?
3694Fが新型ですが、マイコン機能として違いはほとんどありません。
秋月製品では動作クロックが
3664F - 16MHz
3694F - 20MHz
となっていて、動作速度が違います。
ただしメモリマップなども違うので、3664Fの開発環境をそのまま3694Fに適用するとうまく動かないものが出るようです。(開発環境の項目を参照)
●3664F
3664Fは 小型のH8です。Tinyと呼ばれるグループ。
3048に較べ機能は削られていますが、安価、小型、手軽と入門には適していると思います。タイマの数などからあまり多機能な制御は期待できませんが、手軽にマイコン入門にピッタリくる機種だと思っています。
一通りのことが出来ます。
3048について書かれたTekuRobo工作室での さまさまな実験 もこの3664で同様のことが可能です。(一部できないものもあります。また機能のチャンネル数が少ないなど、実用上の制約はあります)。
ロボットなどを制御しようと考えたとき、タイマー数などから機能に限りがでますが、その分、小型で工夫のしがいもあり、入門には適しているのではないでしょうか。
タイマー機能がV、W、Aと種類の違うタイマが3つあります、汎用のタイマWとそれより非力なタイマV、間隔&時計用のタイマAといったとこです。
3664F、3694Fの種類 (2008/6/15
秋月通商には3664Fの機種は3種類あります。
3664チップで、大きさ、登載機能の違う3664DIP版 と 3664QFP版、
3694Fは1種類だけのようです
●3664F(QFP)
3664(QFP)、3694F(QFP)
QFP版は小型です。
QFP(左)とDIP版(右)
これらの小さい基板のものは、ほとんど完成品で、基板に部品が全部実装してあり、足をハンダつけするだけのキットです。
RS232Cポート MAX232系インターフェース実装ですが、RS232Cポート(ソケット)はなく、これだけではPCから書き込みなどができません。
そのため、それらをさして使うI/Oボードも販売されています。
小型のQFP版はRS232Cポートがついてないので、PCから書き込むためにこのようなボードが必要になります。
これとボードに加えて、C開発環境が全部セットになっているものも販売されています。
●3664DIP版
DIP版はポート付きのもので、基板は大きいですが、RS232Cポート MAX232系インターフェース などが登載されていて、これだけでPCとつなぎ書き込みが可能です。
QFP(左)とDIP版(右)
表面に実装する部品を全部ハンダ付けする必要がある、組み立てのキットです。。
3664QFP版に較べて3664DIP版はAD変換チャンネル、ピン数が少しだけ少ないです。
現在では単体での販売はなく、C開発環境と全部セットになっていて、3664FQFP、3694QFP単体と値段が同じ
現状では、DIP版は基板が大きく、部品のハンダ付け工作が必要、ポート数などもすこしQFPより減るのであまり使われていないようですが、RS232Cポートがついているので、用途によってはなかなか捨てがたいとも思います。
QFP版小さいです!(左側:500円玉より一回り大きいほど) DIP版と較べると半分以下、3069Fと比較してもかなり小さい。
これでも、電源、リセット回路、シリアルインターフェイスなど、DIP版と同じ機能が登載されています。
これほど小さいと3664QFPも利用価値はありますね。
DIP版がRS232Cポートも登載で、なぜか気に入っていたのですが、PICの16F84と比較しても、小さく周辺回路が登載されていることを考えれば十分有用です。これはテストボードを作成しないと小さすぎて扱いずらいでしょう。
動かすのに そろえるもの
上記のようにいろいろな種類がありますが、必要なものは
3664QFP、3694QFP または 3664DIP版 のどれか
(新型3694を使う場合は、性能は同等ですがこのHP記事のプログラムで動かすには各自で修正が必要なものがある)
それと PCからの書き込みのためにI/Oボード
3664DIP版なら単体で可能。 (I/Oボードは不要、もしI/Oボードを一緒に買っても3664DIP版は大きいのでこれにはつかえません)
実験回路周辺のLEDやモータドライブ回路などは自分で作り接続する必要があります。
(3664F QFP版用に、このHPで書き込みのRS232Cポートと周辺回路を一緒にした実験用自作ボードを公開していますが、あんまり正式な回路図でないのと、この回路の意味のわからない人は入門から作ってみるのを勧められません)
また、C言語開発環境は、秋月にCDなどがセット品になったものがありますが、当HPはフリーで提供されているベストテクノロジー社のGDLを使用するのでこれを使用するなら開発環境は買いそろえる必要はありません。(開発環境の項目参照)
このHPではこれを使用して TekuRobo工作室 を元に進めています。
最初は 3664DIP版 使用していて後半からは 3664FP版 を使用した記事になっています。
- twtter
- google+
- hatena